DVD [DIE & MOULD]

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< The Creation [DIE AND MOULD] 時間:23分4秒 >

型とは何か

1. 自動車
私たちの生活は、時の流れとともに大変豊かに進歩しています。その陰で、重要な役割を担っている型、その一例が、現代の必需品になっている車です。車は約2万点以上の部品からできていて、1台の車を製造するのに様々な行程をたどることになります。これは、車のボディを製造するプレス加工機です。切断された鉄板をトランスファープレスという大型プレス機械に挿入しボディを次々と成形してゆきます。このプレス加工機の心臓部に、型があります。
2. タイヤ
車のタイヤの生産ラインでは、溶かした素材であるゴムを流し込み、加圧し成形してゆきます。ここでも型が重要な役割を果たしています。
3. ワープロ
この中のICの小さな部品も、型を心臓部に持つ、プレス機械で加工されています。さまざまな精密部品の中の一つ、リードフレームの生産ラインを見てみましょう。
4. リードフレーム
厚さ0.2から0.4mm程度の金属を、超高速プレスによって一分間に800から1200回もの速さで打抜いていきます。ここでも型が使われています。
5. 時計の歯車
時計の中の小さな歯車も型からできています。歯車は、プラスチックを原料としていますが、プラスチック製品を主に造っている射出という成形方法があります。
6. 型の歴史
型の歴史はずいぶん古く、古代エジプトの壁画にも、鋳造で道具を作っているところが描かれています。また、日本でも、弥生時代に鋳型を使って装飾品や硬貨、銅鐸などを作っていたことがわかっています。
7. 型の重要性
土器を作る型から現在のハイテク製品用型まで、型に刻み込まれた「もの」と「かたち」は文化とともに変わりますが、重要な型の存在は変わりません。今も、昔も、そして、これからも。

型の種類

 世の中に溢れているいろいろな製品は、形や原材料の違いによって、さまざまな型によって作られます。

1. プレス型
リードフレームの型
精密部品を成形するリードフレームのプレス型。一回のプレスで10行程を同時に処理することができます。
プレス型(アニメ)
プレス加工では、金属などの材料を打抜いたり、加圧し変形させて成形します。リードフレームの型は細かく精密な部品を成形することができます。
2. 鍛造型
3. 鋳造型
4. ダイカスト型
5. プラスチック用型
射出成形の型
プラスチック模型を作る射出成形の型。この型を見てわかるように、素材が細かい部分のすみずみまで流れ込み、プラモデルのパーツができます。
射出成形の型(アニメ)
射出成形では、シリンダーで溶かされた素材を型の中に注入します。その後スクリューは後退し、次の射出の為に原料を取り入れます。先ほど射出した型が開き、成形品ができるのです。
ブロー成形の型
鉢を作るブロー成形の型です。鉢の内側の型。鉢の外側の型。この微妙な曲線が鉢の表面を成形するので、型の品質がそのまま製品の精度や生産効率にあらわれます。
ブロー成形の型(アニメ)
ブロー成形では、素材に空気を吹き込み、膨らませながら型で加圧し成形品を作ります。
6. 粉末治金用型
7. ゴム型
8. ガラス型
9. 窯業用型型

型の製作

 物造りの出発点が型であり、型造りの出発点は設計です。型の製造には、設計が非常に重要です。使われる素材や成形条件が違うと、型の設計はまったく変わってきます。そこで、成形品の原料や、成形機がどのように成形していくかを詳しく知っておくことが大切です。現在の型の製作には、CAD/CAMというコンピュータシステムが導入されています。また、CAEというコンピュータシュミレーションも、できあがる型を予想してテストするのに使われています

1. 型の製造工程
基本計画→基本設計→詳細設計→生産設計→材料取り→荒加工→熱処理→仕上げ加工→組み立て/調整→試加工→完成
2. 型の設計
CAD/CAMシステム
現在の型の製作には、CAD/CAMと呼ばれるコンピュータシステムが導入され、設計の合理化、加工段階の自動化に大きな威力を発揮しています。また、CAEと呼ばれるコンピュータシュミレーションも、できあがる型を予想してテストするのに使われています。
CAD
CADは、自動製図機なのです。製品や型のイメージを正確につかむことができます。また、同種の製品では共通部分を利用したり、過去の設計知識を活用することもできます。作図時間や労力の節約に威力を発揮します。
CAM
CADのデータはCAMに転送され、 CAMがマシニングセンターなどのMC加工機を自動的に動かします。 CAMによってさまざまな加工機が一晩中、無人で、自動的に運転されます。現在の型製作には、CAD/CAMは必要不可欠なものなのです。
3. 型の加工型の加工法
大きく分けて切削加工・研削加工・放電加工の3つに分けることができます。成形品の精度がミクロン単位で要求されれば、型も当然、ミクロン/サブミクロンの精度を要求されることになります。型の加工方法によって、最適の加工機械を選ぶ必要があります。
 
マシニングセンター
これは、切削加工のフライス加工や穴加工に適しています。加工される型の素材は、自動選別され運ばれます。 自動工具交換装置を備えたマシニングセンターは、適切な刃物を選んで自動的に加工します。CAD/CAMのデータに基づいて、マシニングセンターを制御し、加工していきます。
NCフライス盤
XYZ軸上で、自動的に切削加工していきます。CAD/CAMの制御により、面や溝を正確に加工していきます。3次元形状の精密加工に向いた加工機です。
プロファイル研削盤
これは型の部品を研削する加工機です。型の設計図を投影して、その線をなぞりながら加工していきます。今は、手動で行っ ていますが、CAD/CAMによって自動で加工することができます。
ワイヤー放電加工機
工作テーブルを動かし、糸のこのように加工します。0.03から0.3mm程度の銅合金などの金属でできています。コントローラに記憶されたデータに基づき、ワイヤーと加工物との接点でワイヤーが放電し加工します。放電加工というのは、電気がショートするときに金属が溶けるのを利用した加工法です。
放電加工機
これは、ワイヤーの代わりに電極を使って放電加工をします電極の先端が光って見えます。電極の形状とちょうど正反対の形状に型が彫られていきます。さまざまな電極は、複雑な形状の穴加工や、3次元形状の型彫りに使われます。
4. 型の仕上げ
仕上げ加工
細かい部分を削ったり、磨いたりする、いわゆる仕上げ加工は、研削加工の一つとしてよく見られます。最終的には人の手によって鏡面に仕上げられます。
試し加工
仕上げ加工を終え、組み立てた型は調整のため試し加工をします。そのために出来上がった型を成型器に取り付けて実際に製品を試作してみるのです。